視点はメイフィで独白ですが、名前は一切出てきません一人称のみで構成しています。
少しシリアスで切ないメイフィの心情をどうぞ。
私は雨の音が好きだ・・・その雨音は優しげに聞こえるからだ。
あなたも好きになってくれるといってくれた。私はもっと雨が好きになった。
「雨好き?」・・・小さい頃雨降りの日になると決まって私はあなたに聞いていた。
「あまり好きじゃない・・・外に出られないから・・・」あなたはそういって外をずっと眺めていた。
私はその頃のあなたの心情をあまり理解して上げられませんでしたね。
あなたが魔王討伐の旅に出て、時々雨にあったときも、宿屋の窓から外を眺めるあなたに私は同じ事を聞いていた。
「雨好き?」・・・そうすると幼い頃と同じ表情で「好きじゃないな・・・」と。
きっと剣の特訓が出来ないからかな?私も魔法の特訓ができないことで気持ちは一緒だったから、
「私もあまり好きじゃないかな?」そういった私にあなたは驚いた顔で「珍しいね、どうして?」って。
私はさっきの気持ちのままに「魔法の特訓ができないから」するとあなたは少し微笑んで、
「そうだね・・・早く晴れてくれると良いね・・・」って言ってくれた。
時は流れ魔王の上の大魔王まで倒し、元の私達の世界に帰れなくなってしまった・・・。
あなたは私に「これからどうしようか?」と寂しげな笑顔で聞いてきた。
私は迷うことなく「あなたとなら私はどこへでも付いてゆく」・・・と。
そうしたらあなたは顔を真っ赤にしながら私に「結婚しよう」と言ってくれた。
私は嬉しくてあなたに抱きついた・・・思いっきり泣いた、それでも「うん」と返事は出来た。
それから私はあなたの手を取って飛び立った・・・行き先はどこでもよかった・・・静かな場所なら・・・どこでも。
今日も雨が降っている・・・あなたは変わらない憂えた顔で外を見ている。
あれから半年経ったのに、あなたはアレフガルドから出られなくなった事を気にしていて、
あまり心から笑ってくれなくなった・・・まだ気にしているのかな?
ねぇ・・・もう自分をそんなに責めないで・・・気にしなくても良いんだよ。
きっとあなたはまだ雨は嫌いなのだろう・・・なら雨の日は私があなたの太陽になる・・・ずっと傍にいるよ・・・。
シガ・・・フタリヲ・・・ワカツマデ・・・。
私はあなたの隣に立って昔からの質問をあなたにした。
「雨好き?」・・・あなたは私の方を見て「好きじゃないかな?寂しい感じがする」・・・って。
ずっと前から変わらない答えを、あなたは微笑みながら言った。
私はあなたの隣に座ってあなたに頭を預けると「私は好きかな?」といった。
あなたは少し驚いた声で「どうして?」と私に聞いてきた。
私は・・・「雨が降ればあなたと一緒にいられるから・・・雨の奏でる音は優しくて・・・良く眠れるから」
私にとって、雨音は子守唄だから・・・。
〜完〜
作者:朱雀王さん
メイフィは元気なキャラですので、こういう独白は少し似合わないかな?と。
話しの後半はゾーマ討伐後イルスと失踪し結婚して一緒に住んでいると言う設定です。
これまたありきたりな設定になりますが、正確は気の強い少女から大人の落ち着いた女性のものへと変わってます。
自身の恋が実ったから・・・と言うのが理由です。